東京五輪の演出を任せてみたい人たち

1.宮藤官九郎
あまちゃんの大ヒットで、五輪の総合演出の話がでるとよく名前が上がっていますよね。
僕の中で宮藤官九郎くさんのイメージって非常にミクロな所にある共感を引っ張ってくる人っていうものです。
なんていうか、、、日常の中の「あっ、わかるわかる！」っていうのんを切り取ってくれるみたいな？
それって凄く日本人の機微みたいなのを汲み取っているって事だと思うんです。
だいぶ毛色は違うけれど、彼がオリンピックの演出をやったら、そういう細かな所にスポットを当てたおもしろほっこりな大会になる気がします。


2.秋元康
この人も言わずもがなだと思います。
僕の持つ秋元さんの印象を一言で言えば、ズバリ「逆張り」。
常に今までの常套手段の逆を行くっていうのが、秋元さんの面白さだと思います。
例えば高嶺の花だったアイドルをプロデュースする際にコンセプトを「会いに行けるアイドル」にしてみたり、運営が決めるポジションをファンに選ばせたりじゃんけんで選んだり。
逆手逆手を取る手法って、多分日本にあんまりいないので、とても面白いものになる気がします。


3.松本人志
日本では人気の無いダウンタウンの松本さんの映画ですが、海外では意外と人気みたいです。
その最大の秘訣は「緻密さ」にあるのだと思います。
僕から見た松本人志さんは、非常に緻密に計算して笑を作る人というイメージです。
だから最近の若い人には、松本さんのコントって受けないんだと思います。
ナンセンスの妙とか、「間」が生み出す笑いとかって、今の流行と真逆ですからね。
(今ってお笑いに限った事ではないですが、ストレートな笑いとか間を削った笑い(ひたすら詰め込んでテンションでカバーするみたいな？)とか、リアクションが主流な気がします。)
でも、海外にはかえってウケるのではないかと思っています。
彼の世界観って独特だから。
きっと彼独自の媒介変数を使って頭の中で緻密に構成を組み立ててるんじゃないかなって思います。
対外的に効果的な総合演出だと思います。
日本人にはウケなさそうですけど、、、

4.猪子寿之さん
この人が僕の中で一番の期待星です。
日本ではあまり有名でない(?)かもしれませんが、海外で評価されている人です。
デジタルアート作品を手がけています。
彼の凄いなと思う所は、最先端のデジタルという場で、日本の古典的な芸術を表現しているところ。
彼独自の理論で伝統的な芸術に流れる法則を抽出して、そのやり方でデジタルアートを生み出しています。
伝統的日本文化と高い技術力を融合させるのに、これ以上の適任はいないと思います。


5.佐藤可士和さん
デザインの世界で最も有名な人のひとりだと思っています。
彼のすごいところはデザインだけでなく、流通からプロモーションまで全てを手がけるところ。
建築デザインから演出までを一括した、あり得ないスケールの五輪を作れそうな気がします。
また、僕が思う佐藤さんのデザインの特徴は「ムダを極限まで排した美しさ」にあります。
UNIQLOにセブンイレブン、どれをとっても、シンプルさを突き詰めたがゆえのインパクトの大きさです。
これって、世界のトレンドだと思うんです。
GoogleにしてもAppleにしてもそうですが、今世界でウケている物ってシンプルなモノだと思います。
とりわけ日本人ってなんでもぐちゃぐちゃ加えたがるじゃないですか？（笑）
オプションだらけの車然り、無駄に高性能の携帯やエアコン然り。
そういうの、あんまり世界標準じゃない気がします。
だからこそ佐藤可士和さんが向いていると思うんです。


別に誰がやっても面白いと思うので、どんな演出家がどんな五輪にするかは２０２０年まで楽しみにしておきたいと思うのですが、ひとつだけ怖いのは「古き良き日本とのリンク」みたいなコンセプトがでて来ないかという点です。
日本人って回顧主義大好きじゃないですか？
Always三丁目の夕日があり得ないくらい流行ったり、昭和テイストの店が流行ったり。
オリンピックでも絶対前回の東京五輪を何処かに入れようみたいな案が出てくると思うんです。
昭和の東京五輪→経済成長→大阪万博→東日本大震災→そして二度目となる東京五輪。。。
みたいなストーリーで昭和の「古き良き」時代を織り交ぜる。
そーゆー演出、絶対世界の人にとってはみてて面白くもなんともないと思うんですよ？
なんか身内ネタみたいになってまうじゃないですか（笑）
日本人にとっては「古き良き」は素晴らしいエンターテイメントなのかもしれないですが、海外の人にとってはアジアの端っこの国のたかだか数十年前の歴史なんて、全く面白くないでしょ。

そういう演出を安易に盛り込まなさそうという意味でも、(クドカンは怪しいですが（笑）)上の5人あたりに、五輪の演出をして欲しいなって思います。