B級コラム編集部

身近な関心ごとから社会問題まで。興味のあることにツラツラとひねくれた意見を書いています。

売れる缶コーヒーの作り方

最近コンビニでも自販機でも、似たり寄ったりの消費ばかりで、飲み物を買おうと思ったとき、逆に困ったりしてしまいます。
特にコーヒーと紅茶。
なんか、、、良くも悪くもつい手に取ってしまうっていうインパクトがない気がします。
それは多分色んな商品が出過ぎて、飽和状態だからっていうのもあると思いますが。
そんな区別のつかない缶コーヒーコーナーを見ていた時に、ふと思ったのが、「いっそ味の開発はそこそこに、缶のデザインに特化した缶コーヒーを作ったら売れるのでは?」という事です。

味はそこそこに、デザイン重視の缶コーヒーを作ったら売れるんじゃないかって思ったのは以下の二点が思い当たったから。
(1)競合財が変わってきている
(2)広告戦略てきに有効


(1)競合財が変わってきている
最近の人たちって、別に缶コーヒーを買う時に、特に味の良さなんて求めていないと思うんです。
これが多分、5年前とかなら缶コーヒーを選ぶ際の要素のひとつに「味」があったと思います。
それは競合商品が同じ「缶コーヒー」だったから。
でも今は、巷にスターバックスタリーズコーヒーが溢れ、コンビニに行けばそこそこ本格的なコーヒーが直ぐに購入できる時代です。
だから美味しいコーヒーを飲もうと思う人は、そもそも缶コーヒーを選ばないんじゃないかって思うのです。
だって美味しいコーヒー飲みたいと思って、同じ店の中に似た値段で売っているなら、わざわざぬるくて(冷たい飲み物の場合は氷の入っていない)量が多くない缶コーヒー選ぶより、入れたて熱くて(氷が入っていて)缶より量がって、自分で味の調節ができるドリップコーヒー選ぶでしょ?(笑)
多分味で勝負しようとすると、従来のように競合財は缶コーヒーではなく、本格コーヒーになってしまうんですよね。
缶コーヒーが淹れたてのコーヒーに勝つなんて、技術的にムリな気がします。
そう考えると同じ缶コーヒーの中で(若しくは缶ジュースの中で)いかに勝負していくかって戦略とった方が効果的だと思うんです。
じゃあどうやって同じ缶コーヒーと勝負するか?

僕たちが缶コーヒーを買う時の商品を選ぶ基準って、ほぼ始めに目に入ったものがどれかって事じゃないですか?
あんまり「今日はどうしても金の微糖が飲みたい!」とかって思って買いに行く人とかいないと思うんです。
まあブラックかミルク入りか位は考えますが、あとはどれ選ぶかなんて結構直感的です。
だったらいっそ、芸術作品ばりにオシャレなパッケージの缶コーヒーとかむちゃくちゃウケ狙いのパッケージの物の方が目に止まりやすいと思うんです。



(2)広告戦略的に有効
もう一つはこちらの観点です。
僕たちがコンビニや自販機でジュースを買うときって、ほとんど直感的に商品を選びます。
そのため、目に付きやすいとか慣れしたしんでいるとかって要素が非常に大切になってきます。
だからBOSSとかGeorgeaをはじめとする缶コーヒーってばんばんCM打ち出したりしていたのだと思うんです。
不特定多数の人に無意識に認知してもらえるタイプの広報手段が、缶コーヒーには相性がよかった。
一方でインターネット広告にはこういう商品の宣伝は相性がよくありません。
インターネット広告の主流は、Webを閲覧している人の検索結果を分析して、その人の趣向にあった広告を表示させるというリスティング広告です。
この広告手法と、不特定多数の認知度を上げたい缶コーヒーの広告は、すごぶる相性が悪いのです(笑)
今は若者のテレビ離れが進んでいると言われています。
そうなると、CMとは別の不特定に認知度を高められる宣伝方法を考えなくちゃいけない。
そういう観点からもデザイン性重視の缶コーヒーっていいと思うのです。
イメージとしては、自販機そのものを広告としてしまうカンジ。
ドミナント戦略じゃないですが、デザイン性抜群の缶コーヒーや、ぶっ飛んだデザインの缶コーヒーが並んだ自販機が街に溢れていれば、自然と消費者の目につきます。
で、相対的に他の商品より印象に残れば、消費者の中に親近感が湧く。
結構認知度を上げるには有効だと思うんです。
しかも高校生とかって徒歩か自転車で毎日同じ道を通って学校いくから、自販機とか目に付きやすい。
おまけに面白いもの好きだから、目に留まるものなら結構ツイッターとかでバズってくれると思うんですよね。
そういった点からも有効な手段なんじゃないかって思ったりします。



なんか味なんてテキトーに仕上げて、デザイン性で勝負するなんて、商品開発の人に言ったらむちゃくちゃ怒られそうですが、今の時代の戦略としては結構間違ってないと思います。
だって今売れてる物の大半って、商品の質そのものよりも、「認知度」×「話題性」の掛け値みたいなところあるじゃないですか。
AKBとかiPhoneとか...
だったらいっそ無駄なCM費と商品開発費削って、デザイン性ばかりに特化した缶コーヒーを作って見てもアリな気がします。