支持率が落ちたのは本当に慰安婦発言のせいか?
昨日の東京都議会選挙、自民・公明の圧勝という形でおわりました。
ほかの党をざっとあげると、民主党が54議席から15議席へと大幅減少、維新とみんながそれぞれ2議席と7議席、共産が8議席から17議席という形でした。
結果について、様々な解釈がなされています。
アベノミクスに対する国民の期待だと主張する人もいれば、護憲・脱原発の国民感情が共産党支持に現れたという人もいます。
反対に、投票率が低下し、相対的得票率が増加したことによる自民や共産の議席数ではないかと主張する人もいます。
選挙結果に関する考察でもっとも多かったのが、日本維新の会の惨敗理由についてです。
ほとんどの分析で、橋下大阪市長の慰安婦発言による支持率低下が原因であると述べられていました。
はたして本当に支持率低下の最大の理由は、慰安婦発言だったのでしょうか?
僕にはメディアが騒いでいるほど、日本維新の会の支持率低下の直接の原因が橋下さんの発言にあるようには思えません。
ためしに下の票を見てください。
<政党支持率のうち、日本維新の会支持率の推移>
※時事ドットコムのデータをもとに作成
この表から、橋下さんの慰安婦発言がいつだったか判断できる方っていらっしゃいますか?
橋下さんの「慰安婦」発言は5月の後半でした。
普段のメディアでの取り上げられ方と選挙結果だけ見ると、一見彼の発言のおかげで支持率が大きく落ちたように見えてしまいますが、実際は発言があろうとなかろうと支持率は一定のスピードで減少していったのではないかと、十分に考えられます。
ついでに今回の都議選における、日本維新の会の絶対得票率(有権者のうち、日本維新の会に投票した人の割合。ちなみに相対得票数の場合、投票者のうち、何人が日本維新の会に投票したかになります)は3.5%です。
上の支持率と比較したら健闘したほうじゃないですか?(笑)
少なくとも、橋下さんの発言による急激な支持者離れは起きていないようにおもいます。
いろいろ言われていますが、今回の選挙は、なんとなく情報が先走りすぎていたように感じます。
テレビやネットに氾濫する情報だけでなく、ときに加工される前の生のデータを見て、自分で判断してみることも大切なのではないかとおもいます。