B級コラム編集部

身近な関心ごとから社会問題まで。興味のあることにツラツラとひねくれた意見を書いています。

ご縁で繋がる評価社会

人と人との繋がりが、貨幣以上に大きな役割を持つ社会がやってくる。
最近むちゃくちゃハマっている、岡田斗司夫さんの「評価経済社会」という考え方です。
今まではすべての基準がお金になっていた。
しかしこれだけネットワークが張り巡らされ、情報が一瞬で広がるようになった世界では、貨幣ではなくその個人の評価によって商品の流通がなされるようになってきます。
例えば塾講師のAさんがお米を欲しいと思っていたとします。
するとコメ農家のBさんが、ちょうど余っているコメがあったのでAさんに譲りました。
後日、Bさんの息子がテスト前に勉強ができなくて困っていました。
そしたらAさんはコメのお返しにテスト勉強を教えてあげる。
こんな風に貨幣を介さず、自分の持つ物を無料で渡し合う事で成り立つような社会を評価経済社会と呼んでいます(岡田さんの真意と違っていたらすみません)。

そんなことしたら貰うばかりで何も返さない奴が出てくるのでは?と思われるかもしれませんが、高度に情報かした社会では、そういったあらゆる情報が一瞬で世界中に共有されます。
先の例の続きです話したとしたら、仮にAさんが人からコメや野菜を貰うばかりで、何もお礼をしなければ、「Aは何も返さない人だ」という情報が、あっという間にあらゆる人に広がります。
そのままにしておけば、徐々になんのお礼もないAさんには少しずつ物を譲ってくれる人が減ってきてしまうので、一方的に貰うばかりという人は発生しないのです。
逆に、いつも多くの所で人の助けをAさんが行っていたならば、Aさんの「いい評価」が広がります。
その評価が、Aさんの元に様々な人を呼び寄せ、結果としてより良い関係が増えていく事に繋がるのです。
価値尺度が従来の「貨幣」ではなく、「個人の評価」にシフトする。
それが岡田斗司夫の言う、評価経済社会の本質だと思います。

まあざっくり言ってみたら「物々交換」の社会と言えるでしょう。
で、なんでこんな話をしたかって言ったら、既に似たような事を実している知り合いを思い出したからです。

一年前くらいに知り合った方なのですが、その人が物々交換で成り立つ「ご縁経済」という考えを作り、コミュニティの中で実践している事を思い出しました!(笑)
その人が言っていたご縁経済のシステムをざっくりまとめると以下の通りです。
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「経済」には本来いろいろな物があり、今の世界のスタンダードになっている貨幣経済という体系はそのひとつに過ぎない。
だとしたら貨幣以外の物が仲介になり、人と人を繋げる経済という物があっていいのではないか。
そう考えて僕たちは貨幣の変わりに「ご縁」を仲介機能に選んだ。
例えば炊飯器を欲しているAさんと炊飯器が余っているBさんがいたとする。
Bさんにとっては炊飯器を所有する事は無駄(コスト)で、Aさんが持っていた方がいい。
これを繰り返すと、貨幣の移動は全くないにも関わらず、価値移動が行われる。
つまり「経済活動」が営まれたことになる。
貨幣の変わりに「ご縁」を価値尺度にした経済システムが、僕たちの言う「ご縁経済」だ。
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細かい言い方は違ったかもしれませんが、僕が話を聞いた方はこんな風な事を言っていました。
これって、本質は「評価経済社会」と一緒ですよね。
岡田さんの言うシステムに近い事を、を既に実行している知り合いがいた事もあり、評価経済社会という考え方にとても興味を持ちました。

っと、評価経済社会やご縁社会についてつらつらとまとめてみたのですが、人のアイデアを紹介するだけで、僕の意見が全く書かれていないですね(笑)
なので、ちょっとここからは僕の考えを、、、

僕が一番興味を持っているのは、これからの経済システムがどうなるかという事です。
岡田斗司夫さんの考えでは、これからの社会は貨幣経済はもちろん継続しているが、それとは別に評価経済という物が育ってくるとのこと。
僕はそれを、二つの経済システムが並走しているようなイメージで解釈しています。
現実的に十分ありえるだろうなって思いました。

それを踏まえて僕が考えたのは、貨幣経済と評価経済が並走するのなら、「他の物が仲介になる経済システムも出てくるのでは?」という事です。
具体的な案があるわけではないので漠然としていて申し訳ないのですが、 貨幣が価値尺度機能を務める「貨幣経済」、個人の評価が価値尺度になる「評価経済」だけでなく、時間が価値尺度になる「時間経済」とかみたいないろんな経済システムが乱立する社会になるのではと考えています。
人々は様々な経済システムで動くコミュニティを作り、複数に所属し生活を送ります。
所属するコミュニティの経済システムを上手く組み合わせ生活を送るような社会になるんじゃないかって思ったりします。

まあ、僕の雑すぎる意見はどーでもいいとして、僕が何より面白いと思うのは、今まで当たり前だった「貨幣経済」に疑問を持つ時代に入ったという事です。
産業革命以降、ずっとずっと前提とされ、疑う事すらなされなかった貨幣経済の地位がもし揺らいだとしたら、そのときが本当の意味でIT革命が起こったと言える時なんだろうなって思います。
そんな転換期に立ち会えるかもしれないという事を考えると、結構ワクワクしますよね。