B級コラム編集部

身近な関心ごとから社会問題まで。興味のあることにツラツラとひねくれた意見を書いています。

東京は安全なんだって

先日行われたオリンピック承知の質問会。
やっぱり世界中からされた質問の大半は「放射能の危険は大丈夫か?」というものだったみたいです。
まあ、そりゃ1番に聞きたい内容ですよね。
それに対する返答は「東京は福島からも離れていて安全です。後日安倍首相がするプレゼンを聞いていただければ納得してもらえるはずだ」というものでした。

なんかこの回答に幾つか疑問点。
ひとつは「東京は安全」という言葉に、却ってネガティブな要素が含まれているんじゃないかってこと。
「東京は安全です。」っていう言葉、裏を返せば「フクシマはまだまだ危険です。」って事ですよね。
東京は安全っていえばいう程、原発事故がなにも解決していないように受けてに伝わってしまう恐れがあります(まあ実際その通りなんですけど。)。
質問に対する答えとして、繰り返し東京は安全という言葉が使われていたのですが、それってその分原発事故の深刻さを伝える事になっただけなような気がします。


2つ目は質問者の意図と答えの乖離です。
多くの質問者が、東京でのオリンピック開催にあたり、福島原発や汚染水は大丈夫なのか?というような聞き方をしていました。
多分この質問をした人たちが聞きたかったのは東京が安全かどうかじゃなくって、仮に東京五輪になるとして、オリンピック開催までにどの程度事故が収束できるのかっていうのを聞きたかったのではないでしょうか?
東京がどうとかじゃなくって、もっと広い認識。
政府にとっては東京で開催するんだから、東京が安全かどうかが問題だっていう話になるのかもしれませんが、他の国の人にとって重要なことは、日本が安全かどうかっていうことなんじゃないかっておもいます。
だって、他の国にとってみたら福島と東京の距離感なんてわかんないじゃないですか!!
多分凄い近くにあるもんだって認識されてるとおもいますよ?
だって他の国からとったら、日本なんて「太平洋に浮かんでいるアジアのちっこい島」くらいの感覚でしょう(笑)
僕らがアフリカにある何十もの国を一緒くたにして「アフリカ」って読んでるのと同じ感覚で他の国は日本のこと見ているんだと思います。
だから質問者が求めていた真意は、福島原発事故収束に向けて、(東電ではなく)日本政府はどう動いているのかを努力目標ではなく、数値化して各国に示して欲しいってことだったのではないかって思います。

もうひとつ。
これは国民の意識の差の問題。
多分日本に住む人たちって、あんまり汚染水漏洩の問題がヤバイって感じていませんよね?
きっと国内のイメージは、外に垂れ流されてる汚染水なんかより、まだ復興途中の被災された地域の方がずっと大きな問題だって考えているような気がします。
でも海外にとったら、津波で流された土地よりも、地震で倒壊した地域よりも何よりも、汚染水が重要なんです。
他は国内の問題だけど、汚染水は国外に迷惑をかける問題だから。
それから他は極端な話放っておいても徐々に良くなっていくけれど、汚染水は放っておけばおくほど、事態が急速に悪化することだから。
汚染水だけは明らかに世界に莫大な損失を負わせてしまう問題なんですよね。
確か以前アメリカで起きた油田の事故で石油が海に流出したときの、海洋法に基づいた損害賠償学が数百億だか数兆円でした。
どう楽観的に見積もったって、それが放射能になれば石油以上の賠償額になるのは目に見えています。
今は対応に負われてそういう話が出てきませんが、いずれ賠償しなければいけないのは間違えないんですよね。
それくらい汚染水流出は、世界に大きな迷惑をかけています。
でもそんな感覚、僕たち日本人は感じづらいじゃないですか?
多分この辺の感覚のズレも、修正しなきゃいけないことのような気がします。


まあいろいろ言ったんですが、とりあえず政府曰く、
東京は安全なんだって。
東京(は)安全なんだって。